2024.12.26
「超」メディアビジネスへの挑戦。講談社が描く未来のパートナーシップ|ライツ・メディアビジネス本部 佐藤栄副本部長
講談社の持つ無形・有形の多様なアセットを駆使し、従来のメディアビジネスにとどまらないソリューションを展開してきた、講談社メディアビジネス部門。2024年10月30日(水)に開催された「講談社メディアカンファレンス2024」では、ライツ・メディアビジネス本部 副本部長兼メディアビジネス部 部長の佐藤栄が、"「超」メディアビジネス"をスローガンに掲げた2025年の戦略ビジョンについて、映像を用いて発表しました。講談社が挑む、"「超」メディアビジネス"とは──。メディアビジネス部門のこれまでの取り組みと、2025年の方針を佐藤栄が語ります。
メディアの枠を超えて広がる、講談社の「超」メディアビジネス
2024年、講談社では9年ぶりにメディアビジネス部門を統合し、ライツ部門との連携を強化する体制を構築しました。従来の編集部との連携はそのままに、講談社ALLの力でみなさまの商品やサービスの価値、生活者のユーザー体験を最大化する提案ができるような体制を整えています。
この体制で2025年も、従来のメディアビジネスを超えた"「超」メディアビジネス"をスローガンに掲げ、みなさまとのパートナーシップを深めていくことを目標にしてまいります。
ニュースやファッション、マンガ、IPなど、講談社が持つ多様なアセットを駆使し、新たな価値提供を目指すメディアビジネス部門
"「超」メディアビジネス"を支えるキーワードとなるのが、今年のメディアカンファレンスのテーマ『Inspire Impossible Stories 〜物語の力がミライを創る〜』に掲げられている「物語の力」です。
これまでの1年も、我々が長年培ってきた「物語の力」で、生活者とみなさまのビジネスを結びつけ、メディアの枠を超えたパートナーシップを広げていくことにチャレンジしてきました。2025年も、その方向性は変わりません。引き続き、みなさまと共に新しい可能性を切り拓いていきたいと考えています。
メディアアワード受賞企画に見る、講談社の「物語の力」
これまで、具体的にどのようなことをやってきたのか。そのヒントは、6つの2024年メディアアワード受賞企画にも表れています。
▶受賞企画の詳細は、「講談社メディアカンファレンス2024」特設サイトをご覧ください。
例えば、株式会社アダストリア様との取り組みでは、広告会社様と3社でPDCAを回しながら店頭ツールを制作しています。編集者が持つメディアの運営能力、生活者目線でのクリエイティブ力を、オウンドメディアなどのマーケティング活動でご活用いただきました。
東海旅客鉄道株式会社様とのコラボレーション企画では、出版社ならではのキャスティング力で、執筆者が日々の安全運行に敬意を込めつつ、新幹線の乗車体験を"特別な物語"として紡ぐことができました。
海老専門ブランド・海老乃家様には、海老という食材と『with class』のママインフルエンサーの出会いをプロデュースし、忙しい中でも簡単に作れる商品をともに開発しました。
佐賀県様には、『島耕作』という著名IPの力を活用し、スポーツ振興や半導体支援の認知度向上を多角的にサポートさせていただきました。
ヤンマーホールディングス株式会社様との取り組みでは、女子サッカーチーム「セレッソ大阪ヤンマーレディース」の認知度向上を目的に、メディアの特性を活かしたコンテンツを展開。オンピッチの『ゲキサカ』ではサッカーファンに向けたコンテンツ、オフピッチの『ViVi』ではファッション誌らしい企画で、これまで考えつかないような新たなファン獲得のチャレンジを支援しました。
そして、アシックスジャパン株式会社様には、単なる企画やコンテンツの提供にとどまらず、高校サッカーの選手たちへのアンケートをマーケティングで生かす仕組みを整え、ご提供いたしました。より解像度の高い施策を実施することができたと考えています。
これらの事例は、"「超」メディアビジネス"としての出版社の「編集力」が、みなさまのビジネスに役立てられることを示していると思っています。我々が紡ぐ「物語の力」を、メディア以外でも活用できると再定義していただければ幸いです。
「講談社メディアカンファレンス2024」内で行われた懇親の場「ビジネスハングアウト」に登壇した、佐藤 栄(講談社ライツ・メディアビジネス本部 副本部長 兼 メディアビジネス部 部長)。
講談社の「編集力」を発揮し、クリエイティブの枠を超えた物語の価値を提供する
我々が掲げる「編集力」とは、単にお金をかけた綺麗なクリエイティブや、人気のIPでPRするだけのことではありません。みなさまの商品やサービスの背景にある「物語」を、ドライブ力、吸引力にして、コンテンツ制作の範疇を超えたマーケティングサービスを展開する力のことです。
実は、単なるメディアPRを超える案件は年々増えており、部門全体の10%以上が弊社メディアのどこにも属さない、講談社の編集力をサービス化しているものです。
我々のご提供できるサービスは、ユーザーとの適度な距離感をもとにした『生活者目線のクリエイティブ』、『アジェンダセッティング力』、『言語化・映像化する能力』、『商品開発をサポートする力』に『ユーザーインサイトを定性・定量ではかる機能』を加え、年々進化してまいりました。メディアとIP、熱量の高いファンを持ったマーケティングサポートができる営業部隊として、これからも成長を続けてまいります。
クライアントとの共創が新たな価値を生み出す
これからも我々は、みなさまのクリエイティブパートナーであり、マーケティングパートナーであり、メディアパートナーでありたいと考えています。
講談社ではみなさまとの共創を深めるために、提供型コンサルティングサービス「KiisS」や、マーケティングリサーチや調査・分析サービス「講談社メディア・コミュニティ・ラボ(MCL)」、デジタルマーケティングサービス「OTAKAD」など、パッケージ化したサービスも展開しています。
こうしたサービスを活用したアプローチは、莫大なマーケティングコストをかけて瞬間風速を高めるものではありません。各社様の商品・サービスの継続的な改善や、消費者の小さな心の動きを捉えてストーリー化し、プロモーションや商品にまでフィードバックし消化させていく──中長期のファン作りのサポートに寄与するものです。
従来「愛読者」と言われるほど、ファンとエンゲージメントを結んできた我々だからこそできるサービスだと信じています。
会場に集まった関係者に向けて「従来のメディアビジネスを超えた『超メディアビジネス』のパートナーシップを、みなさまと築いていけたら嬉しい」と、メッセージを送った。
来年もメディアアワードは開催いたします。今年に続いて、みなさまにクライアント様や広告会社様と作り上げた講談社のベストプラクティスをご提示してまいりたいと存じます。
講談社はこれからもみなさまと"「超」メディアビジネス"を目指し、メディアの枠を超えた共創を続けてまいります。ビジネスに貢献するだけでなく、世間の大きな話題となるような面白くてためになる"Inspire Impossible Stories"を、一緒に開発できたらと考えております。
撮影/講談社写真映像部 取材・文/粟屋芽衣・室井美優(Playce) 編集・コーディネート/川崎耕司(C-station)
川崎耕司 チーフエディター・コーディネーター
C-station責任者。C-stationグループの、広告会社・広告主向け情報サイト「AD STATION」担当。